「お母さんの部屋も片づけてよ」
年に1回ぐらい言われるこのセリフ。でも、一番最初に母の片づけに付き合った時、「この人は片づけたいのではなく、整理整頓がしたいのだ」と気づきました。
「捨てないで!」
「置いておいて!」
「使うかもしれないから!」
私がいつもの片づけの調子で捨てようとしたら、即座に出てきた母の絶叫(笑)
なるほど。母が望んでいるのは、今あるものをそのままに、きれいに並べなおしたり、見やすく収納することのようでした。
以降、 「私がすると何でもかんでも捨ててしまうから、お母さんのお手伝いには向いていないよ」と言って断っています。
私の母は、私と正反対で何でも溜め込むタイプ。
期限切れのダイレクトメールから行ったレストランの箸袋、結婚当時着ていた服まで 、絶対使うことがないと分かっている物も捨てずにとっています。
母の部屋はあるのですが、それ以外に、母のウォークインクローゼットと化した部屋が一室、リビングの一角も母の物で占められています。他にも洗面所・バスルームにも母のコーナーがあり、トイレにも母お気に入りのカレンダーがかかっていて、キッチンも食器が大好きなので、どの棚にも引き出しにも、ぎゅうぎゅうに食器がつまっています。他にも健康器具や、スムージーを作る機械や… (どれもホコリをかぶっていますが…)
書き出してみると、なかなかすごいですね(^^;
そしてそういう人ほど、買い物が好きだったりしますよね。
だから増える一方で、減ることはない。
でも、それはそれでいいんだと思うんです。
私が、捨てて物の量を減らしてコンパクトで軽い物にすごく魅力を感じるように、
母は、多くの物を揃えて並べて収納してその中から選ぶことに魅力を感じる。
魅力の感じ方が180度ちがう人のを、ズカズカ片づけるというのは良くないし、向いてない。
理解できない人の所を片づけるのは良くないです。
しかも母の場合、私みたいに物を捨てたいとは1ミリも思っていない。
そんな状況で「何言ってんの!?捨てなきゃきれいにならないよ!」と言って無理やりゴミ袋に突っ込んでも、良いことは何もないです。むしろケンカになる。
母の物があふれているのを見るたびに、「あ”~……」とは思いますが、
私にもあんな風に物にまみれていた時代があったので、もはや「懐かしい」といった感じです。
幸せの感じ方は人それぞれで、強制することはできません。
家族であってもそれは同じ。自分以外は、ほかの人。
本当に「物の量を減らしたい!」と母が思ったときに、私も真剣にお手伝いしたいと思っています。